音楽の学び方は、ひとつじゃない

2026年10月11日 06:57
カテゴリ: レッスンのこと

以前、ピアノの練習について、いくつか記事を書きました。

ピアノが弾けるようになるためには、やはり自分で練習することが必要です。

レッスンで理解できたことと、自分の力で弾けるようになることは別の話。

先生がどれだけ教えても、代わりに練習してあげることはできません。

この考えは、今も変わっていません。

でも、日々たくさんの子どもたちと接する中で、いろいろと思うこともあります。

子どもたちは、本当に一人ひとり違います。

手先を器用に動かすことが難しい子もいます。

練習を習慣にすることが苦手な子もいます。

学校やほかの習い事で忙しく、なかなか練習時間を確保できない子もいます。

もちろん、ピアノが大好きで、どんどん難しい曲に挑戦したい子もいます。

そして保護者の方が、音楽の習い事に求めるものもさまざまです。

しっかり演奏技術を身につけてほしい。

音楽を好きになってほしい。

楽しく通える習い事であってほしい。

音感やリズム感、楽譜を読む力を育ててほしい。

どの思いも、よくわかります。

ただ、ピアノという楽器は、なかなか難しいものです。

音楽を理解する力だけでなく、それを指先の動きとして表現する技術も求められます。

頭ではわかっていても、思うように指が動かない。

音楽は好きなのに、練習することが負担になってしまう。

そんなこともあると思います。

そこで最近、考えるようになりました。

ピアノの演奏技術を身につけることにこだわらず、ソルフェージュを中心に学んだ方が、もっと伸ばせる力がある子もいるのではないか。

音を聴き分ける力。

リズムや拍子を感じる力。

楽譜を読み、音楽の仕組みを理解する力。

歌ったり、仲間と音を合わせたりする力。

こうした力も、立派な音楽の力です。

ピアノの演奏が得意でなくても、音楽を理解する力が育っていくことは十分に考えられます。

そして、ピアノが得意な子にとっても、ソルフェージュを深く学ぶことには大きな意味があります。

もちろん、ソルフェージュにも積み重ねは必要です。

ただ、ピアノの演奏練習とは違った方法で学ぶことができるし、得意な部分を生かしながら成長できる可能性もあります。

私は、ピアノの練習をしなくても上達できる方法を探しているわけではありません。

ピアノの演奏には、練習を重ねて初めて得られる技術や喜びがあります。

その価値は、これからも大切にしていきたいと思っています。

でも、音楽を学ぶことと、ピアノを上手に弾けるようになることは、必ずしも同じではないとも思うのです。

ピアノをしっかり学びたい子には、そのためのレッスンを。

ピアノの演奏とは違う形で音楽を学びたい子には、また別の学び方を。

どちらが上ということではなく、目指すものが違うだけ。

子どもたちの得意なことも、生活環境も、音楽との向き合い方もさまざまだからこそ、学び方にも選択肢があっていいのではないでしょうか。

そんな思いから、今、新しく「こども音楽教室」というコースを考えています。

ピアノ演奏の習得を目的とせず、ソルフェージュを中心に、歌う・聴く・動く・読む・書く・仲間と音を合わせる、といった活動を通して音楽を学ぶ教室です。

決して、ピアノを習う前の準備教室でも、練習が苦手な子だけの教室でもありません。

小さな頃から成長に合わせて、長く音楽を学び続けられる場所にしたいと思っています。

音楽の学び方は、ひとつじゃない。

これまで大切にしてきたピアノ教育への思いはそのままに、子どもたちの新しい可能性を広げていけたら。

そんなことを、最近考えています。

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